こんにちは、遠藤です。

自己表現の場として

教科「商業」について。

こんにちは、遠藤です。

 

 8月2日(日)に大学院で行われた「フォローアップセミナー2020」にて「教科「商業」の現状とこれからの商業教育」というテーマで教科指導分科会の発表を担当しました。このテーマ設定の理由には

1.商業科のことを皆さんに知ってもらいたい。

2.商業科のイメージを覆したい

 というような思いがあったからです。発表そのものは15分で収まらず実践の発表途中で切り上げられてしまったのですが(完全に練習不足)、伝えたかった上記2点については伝えきることができたかなと思います。

 

 簡単に現状の商業科の課題を上げると

  • 検定取得に向けた教科指導に偏っていること。
  • 「主体的・対話的で深い学び」を起こすようなアクティブ・ラーニングが推進されているとは言えないこと。
  • 商業科にも関わらず「進学に特化したコース」を設けて普通科と同様のカリキュラムを実施している学校もあること。

 上記3点を発表の中で喋りました。

 「検定取得に向けた教科指導」については、僕自身もそういった授業を高校生の頃に受けていましたし、商業高校としては検定の合格者数がその学校の評価にも繋がる部分だとは思うので、「検定なんて取らなくても良いでしょ。」とは一概に言えないんですが、実際に高校生の頃に取得した検定が僕自身、今役に立っているかと考えると微妙なところです。(まあ、当時は「100点で受かってやろう」と勉強のモチベーションにはなっていましたが、どうしても合格が難しい生徒からしたら苦痛でしかなさそうでしたしね。)頑張って検定を取得した生徒の中に、実際にその検定を今現在活かしていることのできている人ってどのくらいいるんでしょうか。

 2点目に挙げた「主体的・対話的で深い学び」 を起こすようなアクティブ・ラーニングが推進されていないことについては、1点目に挙げた「検定取得に向けた教科指導」が大きく絡んでいるからだと思います。商業の見方・考え方よりも検定合格へのテクニック的な指導が多いわけですから、当然のことだと思います。

 3点目に挙げた商業科の進学校化については、せっかく商業科に入学したのに、商業の勉強そっちのけで普通科と同様のカリキュラムを実施しているのはもったいないですよね。

 ただでさえ最近では、普通科改革として既存の普通科とは別に「学祭融合学科」「地域探究学科」といった普通教育を主とする学科を加えようとする案が出されています。今日読んだ新聞では「学祭融合学科」のキーワードにSDGsが記載されていました。また、「地域探究学科」では、読んで字のごとく地域のことを探究だとか地域の産学間との連携をだとかが書かれていました。今挙げた「SDGs」や「地域のことを探究」「地域の産学間」って商業科にめちゃめちゃ関係していることですよね。このままだとさらに普通科に飲み込まれるんじゃない?と危惧しています。

 このような流れの中で、特に商業科はこれらの普通教育を主とする学科と差別化を図る必要があるんじゃないでしょうか。

 

 長くなってしまったし、言いたいこともよく分からなくなりそうなのでまとめると

  • 商業科の授業においても、「主体的・対話的で深い学び」が起こるような授業、また「教科の見方・考え方」意識した授業を展開すること。
  • 普通高校との差別化をどのように図るべきか。

 上記2点について、真剣に考える必要があるよってことです。

 

 「教科の見方・考え方」については、商業科に関わらず、全ての教科で考える必要もあると思います。大学院で僕が所属する片桐研究室では、定期的に「教科の見方・考え方を身につける授業デザイン研究会」を開き、片桐先生、現場の先生方、院生で「教科の見方・考え方」について意見を交換していますので、興味のある方はご連絡ください。次回は8月22日(土)にオンラインにて実施を計画中です。